歯ぎしりや食いしばり(ブラキシズム)は、就寝中や日中に無意識に起こる習慣で、自分では気づかないうちに歯や顎に大きなダメージを与え続けています。「朝起きると顎が疲れている」「歯が磨り減っていると指摘された」「セラミックや詰め物が繰り返し割れる」——こうした症状がある方は、歯ぎしり・食いしばりが原因かもしれません。ゼルビアオーラルケアクリニックでは、専用のマウスピース(スプリント)の作製を中心に、噛み合わせの評価と生活習慣へのアドバイスも組み合わせた総合的な対応を行っています。
目次
当院の歯ぎしり・食いしばり治療における特徴
オーダーメイドスプリントで歯と顎関節をしっかり保護
当院では、患者様のお口の型を取りオーダーメイドで作製するスプリント(ナイトガード)を就寝時に装着していただく治療を行っています。歯ぎしりや食いしばりで発生する強大な力を広い面積に分散させることで、特定の歯や顎関節への集中した負荷を和らげ、歯の磨耗・破折・補綴物の破損・顎関節へのダメージを防ぐことができます。
人間の噛む力は体重と同程度あるいはそれ以上ともいわれており、就寝中にその力が長時間にわたって無意識にかかり続けることは、歯や顎に大変大きなダメージを与えます。早めにスプリントで保護することが、将来的な大きなトラブルを防ぐことにつながります。スプリントは保険診療の範囲で作製できる場合があります。
噛み合わせとの関連を踏まえた包括的な評価と治療
歯ぎしりや食いしばりの誘因として、噛み合わせの乱れが深く関わっていることがあります。当院では、スプリントで症状を緩和しながら噛み合わせの状態もあわせて評価し、咬合調整や補綴治療との組み合わせが必要かどうかを判断したうえで治療計画を立てています。症状の緩和と原因へのアプローチを並行して行う包括的な対応を心がけており、再発リスクを下げることを目指しています。
スプリントはあくまでも症状の緩和・歯の保護を目的とするものであり、根本的な原因が噛み合わせにある場合は、咬合調整や補綴治療と組み合わせることでより効果的な改善が期待できます。
顎関節症・睡眠時無呼吸症候群との関連にも配慮した対応
歯ぎしりと顎関節症は密接に関連しており、歯ぎしりが顎関節症を引き起こしたり悪化させたりするケースが多くあります。また、睡眠時無呼吸症候群との関連も報告されており、睡眠の質が低下していると歯ぎしりが起こりやすくなるといわれています。いびきや日中の強い眠気を伴う方には、睡眠時無呼吸症候群の評価もあわせて行うことをおすすめする場合があります。
歯ぎしり・食いしばりが引き起こす問題
就寝中の歯ぎしりや日中の食いしばりは、自覚がないまま長期間にわたって歯と顎に大きな負担をかけ続けます。放置すると以下のような問題が生じやすくなります。
歯のエナメル質が徐々に磨り減ることで、冷たいものや甘いものがしみる知覚過敏が起こりやすくなります。また、歯に縦方向のひびが入ったり、歯が欠けたりする歯牙破折は、場合によっては抜歯が必要になることもある深刻な問題です。セラミックや詰め物・被せ物が繰り返し割れるという問題も、歯ぎしりや食いしばりが原因であることが多くあります。顎の筋肉が慢性的に緊張することで、肩こり・首のこり・頭痛として現れることも少なくありません。さらに、顎関節への長期的な負荷は顎関節症(顎の音・痛み・開口障害)を引き起こす大きなリスク因子となります。就寝中に睡眠が浅くなり、起床時の疲労感や日中の眠気につながることもあります。
歯ぎしり・食いしばりの原因
歯ぎしり・食いしばりの原因はひとつではなく、複数の要因が絡み合っていることが一般的です。
最も多い原因のひとつがストレスや精神的な緊張です。日中に感じたストレスが就寝中に歯ぎしりとして表れるケースが多く見られます。噛み合わせのアンバランスも重要な誘因で、特定の歯に過剰な力がかかる状態が続くと無意識の咬合運動を引き起こすことがあります。睡眠の質の低下や睡眠時無呼吸症候群との関連も報告されており、睡眠が浅い状態では覚醒反応として歯ぎしりが起こりやすくなります。飲酒・喫煙・カフェインの過剰摂取も歯ぎしりを増悪させる要因とされています。また、遺伝的な傾向があることも指摘されており、家族に歯ぎしりをする方がいる場合には注意が必要です。
治療方法
スプリント療法(ナイトガード)
就寝時に装着するオーダーメイドのマウスピースです。上顎または下顎に装着し、歯ぎしりや食いしばりの力を分散させます。顎の筋肉の過緊張を緩和し、歯・補綴物・顎関節を保護する効果があります。装着感は個人差がありますが、多くの方が1〜2週間程度で慣れます。保険診療の範囲で作製できる場合があります。
咬合調整
噛み合わせのバランスを整えることで、歯ぎしり・食いしばりを誘発する咬合干渉(特定の歯だけが強く当たる状態)を取り除きます。スプリントと組み合わせることでより効果的な改善が期待できます。
補綴治療・矯正との連携
噛み合わせの乱れが補綴物の問題や歯並びに起因する場合は、補綴物の作り直しやマウスピース矯正との連携をご提案することがあります。
日常生活でできるセルフケア
歯ぎしりや食いしばりを完全になくすことは難しいですが、日常生活のなかでできるセルフケアも効果的です。日中に上下の歯が触れていることに気づいたときは意識的に歯を離す習慣(TCH:Tooth Contacting Habit改善)をつけることが有効です。起床時に顎が疲れている場合は、就寝前に温かいタオルで顎周りを温め筋肉をほぐすことで助けになる場合があります。ストレスをできるだけ発散させ、十分な睡眠をとることも重要です。
よくある質問
歯ぎしりは完全に治りますか?
歯ぎしり・食いしばりを完全になくすことは難しいですが、スプリントや噛み合わせの改善・生活習慣の見直しによって症状を大幅に緩和し、歯や顎へのダメージを防ぐことができます。
スプリントは保険で作れますか?
歯ぎしりや食いしばりに対するスプリント(ナイトガード)は保険診療の範囲で作製できる場合があります。詳しくは診察時にご確認ください。
日中の食いしばりにはどうすればよいですか?
スプリントは主に就寝時用です。日中の食いしばりには、意識的に上下の歯を離すTCH改善が有効とされています。スタッフから具体的なアドバイスをお伝えします。
セラミックが繰り返し割れるのは歯ぎしりが原因ですか?
歯ぎしりや食いしばりが強い場合、セラミックに過剰な力がかかって割れやすくなることがあります。スプリントの使用を並行することで補綴物の破損リスクを下げることが期待できます。
子どもの歯ぎしりは問題ですか?
成長期の子どもの歯ぎしりは、歯の生え変わりに伴う一時的なものが多いとされています。ただし、歯が明らかに磨り減っている・症状が強いと感じる場合はご相談ください。